日々の戯言など。本や観劇、いろいろな出会いの記録
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ずっと昔に書いた、タチコマちゃん話が出てきたので拍手お礼にでもしようかな、と思いましたが。
一応ネタバレ(TV版S.A.C1GIG後)の上に…
ここはGhost(ちなみに映画版の攻殻機動隊の副題はGhost in the shellだったので…)はGhostでもGhostHunt ファンサイトだと思い出して(ゑ)没にしました。
それでも読みたい方は、続きからどうぞ。
一応ネタバレ(TV版S.A.C1GIG後)の上に…
ここはGhost(ちなみに映画版の攻殻機動隊の副題はGhost in the shellだったので…)はGhostでもGhostHunt ファンサイトだと思い出して(ゑ)没にしました。
それでも読みたい方は、続きからどうぞ。
INTERVAL
春の暖かな日差しの中、その公園には数組の親子連れが楽しげに笑っていた。
それを横目に見ながら、一人の子供が歩いている。年の頃は10、11ほどか。
まだ肌寒いというのに、タンクトップとホットパンツという、格好だった。一見すると少年にも見える、利発そうな瞳の少女型———義体。
子供の全身義体は実はまだ一般的ではないので、かなり目立つが精巧に作られているのか、殆ど違和感がないので周りの人間はあまり気付いていない。
尤も、気付いた所で話しかけるような者はいないだろう。
その脇を一匹の仔犬が風の様に駆けて行った。
すぐその後を、
「待ってー」
幼い少女が追って行く。
義体の子供はそれを見送り、一瞬目を細めた。
仔犬は公園の真ん中にあ噴水の前で立ち止まり、少女に向かって盛んに尻尾をふった。生気に満ち満ちた表情。その仔犬も、少女と遊ぶのが楽しいのだろう。
少女は仔犬にリードを着けながら、叱るように、
「もう、勝手に行っちゃ駄目でしょう。タチコマ」
「…タチコマ?」
義体の子供は目を見張り、呟いた。
すると、それに気付いた少女はそれに振り向いて、
「お姉さんも、タチコマ知ってるの…?」
と、訊いた……。
義体の少女はモトコ、と名乗り、少女は自分を「ミキ」と言った。そして、足元の仔犬を、
「この子はね、タチコマ」
わん、と嬉しそうに仔犬は尻尾を振った。
二人で、公園のベンチに腰を降ろす。
「モトコお姉さんは、タチコマ知ってるの?…やっぱりここに遊びに来るのかな」
「そうね」
素っ気ない口調だが、ミキは気にしないようだった。
「タチコマはね。…この近くで会ったの。変なロボットだけど、一緒にロッキーを探して
くれたんだよ」
「…ロッキー…」
モトコが呟くと、
「うん。前に飼っていた犬なの。…死んじゃったけど。でもね、でも…それでも探したの。タチコマが一緒に探してくれて、ママとパパが心配するからって、帰りはお家へ送ってくれたんだよ」
淡々とミキは話すが、時折泣きそうになるのを堪えているようだった。
「そう。…ミキちゃんは、タチコマが好きなの?」
外見は3、4歳くらいしか変わらないが、口調はずっと大人のもので、ミキは一瞬戸惑ったようだが、直ぐに、
「うんっ。だからね、お礼が言いたいの」
「お礼?」
「うん。一緒にロッキーを探してくれてありがとうって。それでね、」
ミキは足元の仔犬を抱き上げた。
「この子に、名前貰ったから」
「…そう」
モトコは目を細めた。それに、
「お姉さん。もしタチコマに会ったら伝えてくれる?ミキがありがとうって言ってたよ、って」
「わかったわ」
モトコは頷いたが、直ぐに、
「でも、直接言った方がいいんじゃない」
それに、ミキは軽く目を見張る。
「会えるかなあ」
「そのうちにね」
何故か確信を感じさせる口調に、ミキは嬉しそうに頷いた。
その時。
「ミキー、帰るわよ」
公園の入口で、買い物袋を提げた女性が呼び掛けて来た。
「はーい、ママ」
ミキはすくっとベンチから降りたって、
「じゃあね、モトコお姉さん」
「ばいばい」
『タチコマ』を連れ、母親に向かって駆けていく少女に、モトコは暖かな笑みを浮かべた。
その脳裏には、いつか見た大男の悲しげな表情があったかもしれない。
「さて」
そう呟いて、立ち上がる。小柄な義体は、一瞬にしてその姿を消した。辺りの者は誰一人気付いていないが…。
「さっきね、『タチコマのお友達』だっていうお姉さんに会ったんだよ」
「そう。良かったわね、ミキ」
「うん。…またタチコマに会えるかなぁ」
「そうね」
母親に手を引かれ、少女は仔犬と共に帰途につく。
母親はその、『タチコマ』というロボットがどんな物かは知らない。だけど、ロッキーが死んでから沈みがちだった娘の表情に、明るさが戻ったのはそれのお陰だと感謝していた。
「ママも会いたいわ。『タチコマ君』に」
「うんっ」
嬉しそうに笑う娘の側で仔犬が尻尾をふる。
「ちゃんと、ありがとうって言わなきゃね」
数日後。
『彼』は、その扉の前で待っていた。
心臓どころか、『ゴースト』も無い筈なのに、何故かドキドキする。
この、扉の向こうに。
「ん。紹介しよう、入れ!」
荒巻の声が、彼らを呼ぶ。
『彼』が大好きな仲間達に出会えるのも、もうすぐである————————————。
end
…なんでこんなのを出してきたかというとですね、
こんなメールが届いたからなのです。
これほっっっっっすぃぃぃ。
誰か買って下さい(をい)
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